不祥事・デマ・事件

NHK国際放送の尖閣発言は日本国民への侮辱。内部の関与も否定できない理由

不祥事・デマ・事件
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2024年8月、NHKのラジオ国際放送の中国語ニュースで、中国籍の外部スタッフが原稿にない発言をし、尖閣諸島を「中国の領土」と主張しました。NHKは担当理事の辞任や会長らの報酬返納、再発防止策を打ち出し、2025年には東京地裁が元スタッフに1100万円の賠償を命じています。しかし男性は出国しており、賠償金が支払われたのかは分かっていません。なぜ放送は止められなかったのか、そしてこの問題は日本と国民に何をもたらしたのか。NHKの発表と報道をもとに検証します。

事件の経緯を時系列で整理

日付 出来事
2024年8月19日中国語ニュースの生放送で、外部スタッフが原稿にない発言
2024年8月20日中国語ニュースを事前収録に切り替え
2024年8月21日NHKが男性との契約を解除
2024年9月10日調査報告書を公表。担当理事が辞任し、会長らが報酬を返納
2024年9月11日総務省がNHKに行政指導(注意)
2024年9月17日辞任した理事が再雇用される(SmartFLASH報道)
2024年10月下旬中国語ニュースでAI音声読み上げを試験運用
2025年1月8日NHKが再発防止の取り組みを発表
2025年7月スタッフとの直接契約に改めると報道(日本経済新聞)
2025年9月1日東京地裁が元スタッフに1100万円の賠償を命じる

NHKラジオ国際放送で何が起きたのか

2024年8月19日、中国語ニュースで原稿にない発言

問題の発言があったのは、2024年8月19日の生放送です。判決などによると、外部スタッフだった中国籍の男性は、靖国神社で落書きが見つかったニュースを読んだ後、原稿にない発言を始めました。尖閣諸島とその周辺の島々は古くから中国の領土だと述べ、NHKの対応に抗議すると主張したうえで、英語で「南京大虐殺を忘れるな」「慰安婦を忘れるな」「731部隊を忘れるな」と続けたと報じられています。この放送はラジオ第2やインターネットを通じて流れました。

NHKの初動

NHKは翌日から中国語ニュースを生放送ではなく事前収録に切り替え、21日付で男性との契約を解除しました。男性は、NHKの関連団体「NHKグローバルメディアサービス」(Gメディア)と業務委託契約を結んでいた外部スタッフでした。

なぜ放送は止められなかったのか

音声を遮断する仕組みは使われなかった

文化放送の番組では、スタジオにはスイッチを押せば音声を遮断できる装置があったものの、誰が操作するのかが決まっておらず、訓練もしていなかったため、対応できないまま発言が流れ続けたと解説されています。NHKの調査報告書も、ラジオ国際放送の現場では「緊張感が欠けていた」と認めています。

外部スタッフに任せきりだった生放送

NHKが2025年1月に発表した資料では、再発防止策として「ニュースの制作と収録には必ず職員が立ち会う」ことが挙げられています。裏を返せば、事件が起きるまでは、外部スタッフが原稿を読む生放送に、職員の立ち会いが徹底されていなかったことになります。

内部の関係者が関わった可能性

音声を止める装置がありながら使われず、外部スタッフ1人に生放送を任せる体制が長く続いていたこと。さらに、後述するように、責任を取って辞任したはずの理事が1週間で再雇用されていること。これらの経緯を見ると、単なる管理の不備にとどまらず、NHK内部に発言を黙認した、あるいは事前に把握していた関係者がいた可能性も否定できません。NHKの調査報告書は、この点について十分に答えていないと当サイトは考えます。

NHKの処分と「1週間で再雇用」への批判

理事の辞任と会長らの報酬返納

NHKは9月10日に調査報告書を公表し、国際放送を担当する傍田理事が引責辞任しました。稲葉延雄会長ら役員は、報酬を自主的に返納しています。翌日には総務省が、放送法の規定に抵触するとして、NHKに文書で「注意」の行政指導を行いました。

対象 処分・措置
外部スタッフ(中国籍の男性)2024年8月21日付で契約解除
国際放送担当の理事2024年9月10日に引責辞任
稲葉延雄会長ら役員報酬1か月分の50%を自主返納
NHK(総務省から)2024年9月11日、文書による「注意」の行政指導

辞任した理事が1週間で再雇用

SmartFLASHは、辞任した理事がわずか1週間後に、NHKでエグゼクティブ・プロデューサーとして再雇用されていたと報じました。同誌は、国際放送の現場に人材が不足しているという内部事情を伝える一方、職員の間からも「偽装辞任」との声が上がっていると報じています。SNSでも批判が相次ぎました。

NHKが発表した再発防止策

NHKは2025年1月8日、再発防止の取り組みを発表しました。調査報告書に書いた短期的な施策はすべて完了したとし、2025年度には中期的な改革に取り組むとしています。

区分 主な内容
完了した施策
(2024年12月末まで)
・英語以外の16言語のラジオ国際放送を事前収録に変更
・緊急時対応マニュアルの作成と訓練
・ニュースの制作と収録への職員の立ち会い
・外部スタッフ全員への説明会
・国際放送局の「緊急改革プロジェクト」
・Gメディアとの責任分担の明確化
2025年度の取り組み・中国語ニュースへのAI音声読み上げの導入
・Gメディアとの業務委託の見直し
・国際放送の「選択と集中」「質的充実」

注目されたのが、AI音声による読み上げです。NHKは2024年10月下旬に中国語ニュースで試験運用を行い、2025年度の初めから本放送で使うことを目指すとしました。人がマイクの前に立たない仕組みにすることで、同じような発言を物理的に防ぐ狙いです。また日本経済新聞は2025年7月、NHKがラジオ国際放送のスタッフと直接契約を結ぶ形に改めると報じています。

1100万円の賠償命令、その後は

東京地裁の判決

NHKは男性に損害賠償を求めて提訴し、東京地裁は2025年9月1日、NHKの請求どおり1100万円の支払いを命じました。裁判長は、発言によって「NHKの放送内容の客観性や正確性について、社会的信用が大きく毀損された」と判断しています。NHKは取材に対し、「主張が認められたと評価したい」とコメントしました。

出国した元スタッフ、支払いは確認できず

男性は放送の後に出国しており、答弁書も出さず、裁判では何も主張しませんでした。判決の後、賠償金が実際に支払われたのかを伝える報道は確認できません(確認日:2026年9月28日)。

生放送で意図的に原稿にない発言をし、そのまま国外に出て、裁判にも一切応じない。この経緯を見ると、賠償責任を問われることを見越したうえでの計画的な行動だった可能性も否定できません。

日本と国民すべてに対する侮辱

公共放送の電波で流された領土の主張

尖閣諸島は日本固有の領土であり、日本政府は領有権の問題はそもそも存在しないという立場をとっています。その日本の公共放送が、国の立場を海外に伝えるための国際放送で、正反対の主張を流しました。しかも発言は、日本の歴史認識を一方的に非難する言葉とセットでした。これは受信料を払う人だけの問題ではなく、日本という国と、国民すべてに対する侮辱だと当サイトは考えます。

再発防止にかかった費用は公表されていない

事前収録への切り替え、職員の立ち会い、訓練や説明会、AI音声の導入。こうした再発防止策には、受信料が使われているとみられます。しかしNHKの発表資料には、それぞれにどれだけの費用がかかったのかは書かれていません。

1100万円では埋め合わせられない損失

1100万円はNHK自身が請求した金額ですが、その根拠は明らかにされていません。そもそも、国の立場と異なる領土の主張が公共放送から海外に流れ、日本の信用が傷ついたことは、金額で埋め合わせられるものではありません。そのうえで賠償金が回収できていないとすれば、金銭的な負担も、受信料を通じて国民が背負っていることになります。

NHKは、なぜこのような放送を許したのかを改めて検証し、再発防止策にかかった費用と賠償金の回収状況を、国民に説明すべきではないでしょうか。

出典

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