2016年、NHK地方局の男女アナウンサーによる「路上不倫」を写真週刊誌のFRIDAYが報じました。この件を全国に広めたのは、元NHK職員の立花孝志氏です。立花氏は2019年の参院選の政見放送で、NHKがこの事実を隠蔽していると繰り返し訴えました。報道から10年がたった今、NHKがこの件にどう対応し、どのような処分をしたのかを、公式資料で確かめることはできるのでしょうか。報道と政見放送の流れを整理し、検証します。
※一次報道では当事者は仮名・匿名で報じられています。本記事でも実名は記載しません。
NHKアナの「路上不倫」とは?2016年FRIDAY報道の概要
地方局の男女アナが車内で不倫(FRIDAY報道)
2016年7月1日発売の写真週刊誌「FRIDAY」が報じました。対象は、NHK地方局で平日夕方の生放送ニュース番組の司会を務めていた、30代後半の男性アナウンサーと20代半ばの契約女性キャスターです。記事によると、2人は6月下旬の番組終了後、夜8時ごろに局から車で10分ほどの人通りの少ない道に車を止め、車内で不倫行為に及んでいたとされています。
他媒体の報道と実名の扱い
東京スポーツはFRIDAYの記事を引用し、同日に報じました。アサヒ芸能も、男性アナは東京でバラエティ番組を担当した経験もある実力派だったと伝えています。一方、ネット上のまとめサイトなどでは当事者の実名が出回っていますが、裏付けとなる一次情報は確認できませんでした。
立花孝志氏の政見放送で全国に拡散
2019年参院選の政見放送
この件が広く知られるきっかけとなったのが、2019年7月の参院選です。「NHKから国民を守る党」代表だった立花孝志氏は、比例代表の政見放送でこの件を取り上げました。比例代表の政見放送は全国に流れます。収録はNHK放送センターで行われました。
立花氏は、NHKの男女のアナウンサーが不倫行為をしたのに、NHKがその事実を隠蔽していると主張しました。「不倫ですよ、路上ですよ、カーセックスですよ」と訴え、同じフレーズは放送の中で計9回に及びました。
立花氏は東京スポーツの取材に対し、この件はNHKの隠蔽体質を象徴するものだと説明しています。視聴者が当事者のその後を調べたくなるような反響を狙っていたとも語っており、実際に放送後は賛否両論が巻き起こりました。デイリースポーツは、下品だと眉をひそめる人がいる一方で、面白いと受け止めた層も多く、それが選挙結果にも表れたと分析しています。
2016年・2020年の都知事選でも取り上げた
立花氏がこの件を政見放送で取り上げたのは、2019年が初めてではありません。報道直後の2016年都知事選の政見放送でも言及しています。2020年の都知事選では、政見放送でこの件を「実演」すると自らXで予告し、収録をめぐってNHKと揉めたことも明かしていました。
| 選挙 | 政見放送での扱い |
|---|---|
| 2016年 都知事選 | 報道直後に不倫問題に言及 |
| 2019年 参院選(比例) | 全国放送で同じフレーズを計9回。NHKの隠蔽を主張 |
| 2020年 都知事選 | 「実演」と予告。収録をめぐりNHKと対立 |
政見放送での発言は罪にならないのか
2019年の放送後には、法的な問題を指摘する声も上がりました。オトナンサーの取材に弁護士は、言葉を連呼しただけでは公然わいせつ罪などには当たらないと解説しています。放送禁止用語に当たる可能性はあるものの、これは法律ではなく放送局の自主規制であり、該当するかどうかは即断できないとしています。
その後、NHKの処分は?公式発表は確認できず
NHKの公式発表は見つからなかった
当サイトでは、NHKが本件について公式に発表した資料(処分内容や事実関係の説明など)を確認できませんでした。立花氏は「隠蔽」と主張していますが、NHKが実際にどう対応したのかは、公開情報からは判断できません。
NHKの公式サイトで確認できる報道資料は【掲載範囲】のものに限られています(確認日:2026年9月27日)。そのため、2016年当時にNHKが発表を行ったのか、行った場合にどのような内容だったのかを、後から確かめることができません。
7月 立花氏が都知事選の政見放送で言及
同じフレーズを計9回。NHKの隠蔽を主張
近年の処分は公表されている
NHKは近年、職員の懲戒処分を公表しています。2026年9月には、同意のない性的な身体接触を理由に20代の記者を懲戒免職とし、会長が謝罪のコメントを出しました。現在の処分が公表される一方で、過去の不祥事への対応を後から確かめる手段がないことが課題です。
報道の流れを時系列で整理
| 日付 | 出来事・報道 |
|---|---|
| 2016年6月下旬 | 地方局の男女アナが車内で不倫行為(FRIDAY報道による) |
| 2016年7月1日 | FRIDAYが報道。東京スポーツなども追随 |
| 2016年7月 | 立花氏が都知事選の政見放送で言及 |
| 2019年7月10日 | 参院選の政見放送(全国放送)で同じフレーズを計9回。NHKの隠蔽を主張 |
| 2020年6月 | 都知事選の政見放送で再び取り上げる |
公共放送に求められる説明責任
NHKアナの路上不倫は、FRIDAYの報道と立花氏の政見放送によって広く知られるようになりました。しかし、NHKが当時どう対応し、どのような処分をしたのかは、今も公式資料で確かめることができません。立花氏の「隠蔽」という主張が正しいのかどうかも、検証する手段がないのが現状です。
NHKは受信料で運営される公共放送です。職員の不祥事と、それに対する処分や対応を、過去の分も含めて誰もが確認できるようにしておくことは、説明責任の観点から欠かせないのではないでしょうか。
出典
- NHK共演の男女アナ「車内不倫現場」撮られた!(東スポWEB)
- 山梨のNHKアナ同士が「車内」でコトに及んだのは“地元感覚”だった!?(アサ芸プラス)
- NHKキャスターのとんでもない“路上不倫” 元職員N国立花氏も内情暴露?(リアルライブ)
- 【参院選2019】NHKから国民を守る党 書き起こし(ポリタス)
- 【参院選】N国党政見放送はエンタメ劇場化(東スポWEB)
- N国躍進の要因となった政見放送のルール…総務省に聞く(デイリースポーツ)
- 立花孝志・N国党代表の政見放送が「過激」「NHKびっくり」と話題に、法的問題は?(オトナンサー)
- 立花孝志が今年も政見放送で大暴れ?(ユーチュラ)
- NHK、20代記者を懲戒免職(オリコン・Yahoo!ニュース)
- 報道資料(NHK)
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