不祥事・デマ・事件

玉川徹とは何者か?テレ朝社員ディレクターから続く炎上と処分の歴史

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玉川徹氏は、テレビ朝日の元社員ディレクターで、現在はフリーのコメンテーターとして「羽鳥慎一モーニングショー」に出演しています。その発言が、2026年に入ってから立て続けに批判を集めています。4月にはクシュナー氏を「ユダヤ人ですよね」と評してイスラエル大使が抗議し、6月にはW杯日本代表を「出稼ぎ」と表現しました。8月には大阪の警官発砲事件で「警察官が死刑にした」と発言しています。2022年には国葬をめぐる虚偽の発言で懲戒処分も受けました。それでも番組を降りていません。玉川氏とは何者なのか、経歴とこれまでの発言、局の対応を整理します。

玉川徹とは、テレ朝の社員ディレクターだった

玉川氏は、アナウンサーでも、外部から招かれた評論家でもありません。もともとはテレビ朝日の社員で、ワイドショーや情報番組を作るディレクターでした。

時期経歴
1963年7月2日宮城県大河原町生まれ(2026年10月時点で63歳)
学歴宮城県仙台第二高校、京都大学農学部を卒業。1989年に京都大学大学院農学研究科修士課程を修了
1989年テレビ朝日に入社
入社後情報番組のAD、ディレクターを担当。「スーパーモーニング」では「ちょっと待った!玉川総研」のリポーターとして画面に出るようになる
2011年〜「モーニングバード!」、続く「羽鳥慎一モーニングショー」(2015年〜)にコメンテーターとしてレギュラー出演
2022年10月国葬をめぐる発言で、出勤停止10日の懲戒処分
2023年7月テレビ朝日を定年退職。8月からフリーとして同番組への出演を続ける

局の社員が、自分の局の番組でコメンテーターとして意見を述べる。これは異例の起用でした。医療、軍事、外交と、幅広いテーマで断定的に語ってきましたが、いずれかの分野の専門家というわけではありません。

玉川徹の炎上・失言一覧(2020〜2026年)

報道や当事者の発表で確認できた主な発言を、年表にまとめました。事実と異なる内容を述べたものと、意見として批判を集めたものを色分けしています。

玉川徹氏の主な発言と対応
事実と異なる発言 意見として批判
2020年1月
箕面の滝「トンネル掘ったら水が涸れちゃって」
箕面市が抗議・訂正を要請
2021年5月
高橋洋一内閣官房参与に公費が出ていると発言
高橋氏が「無給」と反論
2022年3月
ウクライナは「引く以外にない」
番組内で反論を受ける
2022年9月
国葬の弔辞に「電通が入っている」
訂正・謝罪、出勤停止10日
2023年4月
農家は米の生産をやめて小麦に
レギュラー復帰から1カ月足らずで批判
2026年4月
クシュナー氏に「ユダヤ人ですよね」
イスラエル大使が抗議、テレ朝が謝罪
2026年6月
W杯日本代表を「出稼ぎ」、移民が必要
「失礼すぎる」と反発
2026年8月
警官発砲に「警察官が死刑にした」
「射殺」の表現は訂正
※報道、自治体の発表をもとに当サイトが作成(2026年10月4日時点)

※スマートフォンでは表を横にスクロールできます

時期発言その後
2020年1月21日新名神のトンネル工事で箕面大滝の水が減ったと発言箕面市が「水量減少の事実はない」と抗議し、訂正を要請
2021年5月11日高橋洋一内閣官房参与(当時)に、国のお金が出ているとの趣旨で発言高橋氏が「無給」と反論。のちに「訂正も謝罪もなし」と主張
2022年3月4日ロシアの侵攻について「ウクライナが引く以外にない」番組内で小泉悠氏らが反論
2022年9月28日安倍元首相の国葬で、菅前首相の弔辞に「電通が入っている」翌日に訂正・謝罪。出勤停止10日の懲戒処分
2023年4月26日農家は米の生産をやめて小麦に切り替えるべき批判が相次ぐ
2026年4月10日クシュナー氏に「ユダヤ人ですよねえ?」「いない方がいいような人」イスラエル大使が抗議。テレ朝がHPで謝罪、社長も会見で謝罪
2026年6月W杯日本代表を「出稼ぎ」と表現し、移民が必要との持論「失礼すぎる」と反発
2026年8月河内長野の警官発砲事件で「警察官がいわゆる死刑にしてしまった」「射殺」の表現は訂正。元警察官が反論

玉川徹の電通発言、唯一の懲戒処分

国葬の弔辞をめぐる虚偽の発言

2022年9月28日の番組で、玉川氏は前日に行われた安倍元首相の国葬を取り上げました。菅義偉前首相の弔辞が称賛を集めたことについて、「当然これ電通が入ってますからね」と発言しました。演出に広告代理店が関わっていたかのような内容です。

しかし、電通は国葬の運営に関わっていませんでした。玉川氏は翌29日の番組で「事実ではありませんでした」と訂正し、謝罪しました。

出勤停止10日、そして復帰

テレビ朝日は10月4日付で、玉川氏を出勤停止10日の懲戒処分としました。報道局の幹部も譴責処分を受けています。玉川氏は10月19日に番組に復帰し、冒頭で改めて頭を下げました。

ジャーナリストの春川正明氏は現代ビジネスで、謝罪の中に「なぜ確認しないまま発言したのか」という説明が欠けていたと指摘しています。復帰後、玉川氏は「現場に足を運び、事実確認をして報告」するとして、取材リポートを中心に番組に出演しました。そして2023年4月にレギュラーのコメンテーターに戻ると、1カ月足らずで、農家に向けた「米の生産をやめて」発言で再び批判を受けています。

玉川徹のユダヤ人発言、局だけが謝った

クシュナー氏について何を言ったのか

2026年4月10日の番組では、米国とイランの協議に、トランプ大統領の娘婿のジャレッド・クシュナー氏が加わったことが話題になりました。玉川氏は専門家に質問する形で、次のように述べました。

何の権限で入ってるんですか?トランプ氏の娘婿?要するにトランプ家の代表で入ってるってことですか。そういうふうにしか見えないし、ましてやユダヤ人ですよねえ?このイランとの協議に関しては、むしろいない方がいいような人の気もするんですけど

2026年4月10日「羽鳥慎一モーニングショー」での玉川徹氏の発言

問題とされたのは、後半の部分です。クシュナー氏の権限や立場を問うだけでなく、「ユダヤ人である」ことを挙げたうえで「いない方がいい」と結論づけています。属性を理由に、人を交渉の場から外すべきだと受け取れる発言でした。

「問題なし」から一転して謝罪するまで

テレビ朝日は当初、発言に問題はないという立場でした。それが、イスラエル大使の抗議をきっかけに、わずか2日で謝罪に転じています。

日付出来事
4月10日番組内で発言
4月13日テレ朝がJ-CASTニュースの取材に「ご指摘には当たらない」と回答。ネタニヤフ首相に近い人物という背景に触れたものと説明
4月14日イスラエルのギラッド・コーヘン駐日大使が、テレ朝に書簡を送ったとXで公表
4月15日テレ朝がHPで謝罪。「説明が不十分で、表現に配慮が足りなかった」。謝罪文に玉川氏の名前はなし
4月16日番組は前日の謝罪に触れず、玉川氏は通常どおり出演
4月28日テレ朝社長が定例会見で改めて謝罪。チェック体制の見直しに言及

コーヘン大使は、発言を「ユダヤ人であるという理由で外交交渉から排除されるべきだと示唆した懸念すべき発言」とし、「差別や反ユダヤ主義が入り込む余地は一切ありません」と表明しました。ユダヤ系人権団体のサイモン・ウィーゼンタール・センターも批判し、発言の英訳は海外にも広がりました。

社長は会見で「差別的な意図は全くなかった」と述べる一方、「宗教、民族、出自といった属性によって人物が判断されることがあってはならない」と話したと伝えられています。局の幹部は、玉川氏が「深く反省していると聞いている」と説明しました。ただし、玉川氏が自ら番組で謝罪したという報道は見当たりません。

電通発言のときと何が違うのか

項目電通発言(2022年)ユダヤ人発言(2026年)
玉川氏の立場テレ朝の社員フリー
本人の謝罪翌日の番組で謝罪番組での謝罪は確認できず
謝罪した主体本人と局局のみ(謝罪文に名前なし)
処分出勤停止10日発表なし
番組出演処分期間後に復帰休まず継続

当サイトの見方では、違いを生んだのは玉川氏の立場です。社員だった2022年には、局は就業規則にもとづいて処分できました。フリーになった2026年は、局が謝る以外に、目に見える形で責任を取る仕組みがありません。結果として、発言した本人ではなく、局だけが頭を下げる形になりました。

擁護の声と、それでも残る問題

一方で、玉川氏の指摘には一理あるとする見方もあります。ジャーナリストの志葉玲氏は、クシュナー氏がトランプ家の一員であり、イスラエルとの関係も深いという利害の問題に触れずに、大使に同調して玉川氏をたたく日本のメディアは危ういと論じています。

交渉役の利害関係を問うこと自体は、報道として当然の視点です。ただ、それならば「ネタニヤフ首相に近い」「イスラエルと利害がある」と言えば足ります。「ユダヤ人である」ことは、個人の政治的立場や利害を示すものではありません。玉川氏が問題とされたのは、利害を問うたからではなく、民族を理由に挙げたからです。テレ朝自身も、最終的にそれを認めて謝罪しています。

「警察官が死刑にした」、最新の炎上

2026年8月4日夜、大阪府河内長野市で、刃物を持った男に警察官が威嚇射撃のあと発砲し、男が死亡しました。週刊女性PRIMEによると、玉川氏は番組でこの事件を取り上げ、男の容疑には死刑にあたる罪がないことを挙げて「警察官がいわゆる死刑にしてしまったということになりますよね」と述べました。

玉川氏は、当初使った「射殺」という言葉を後に訂正しています。ネット上では「警官の命をなんだと思っているのか」といった批判が相次ぎ、元埼玉県警の佐々木成三氏は、正当な職務執行だったと反論しました。

事実の誤りと、批判された意見を分けて見る

玉川氏への批判には、事実と異なることを述べたものと、意見の中身が批判されたものが混ざっています。両者を分けると、次のようになります。

事実と異なる発言
  • 箕面大滝の水量減少(2020年)
  • 高橋洋一氏への公費(2021年)
  • 国葬の「電通」(2022年)
  • 警官発砲の「射殺」(2026年)
自治体や当事者の抗議、本人の訂正で誤りが表に出たもの
意見として批判されたもの
  • ウクライナは「引く以外にない」(2022年)
  • 米の生産をやめて小麦に(2023年)
  • 「ユダヤ人ですよね」(2026年)
  • W杯日本代表は「出稼ぎ」(2026年)
  • 「警察官が死刑にした」(2026年)
意見の自由の範囲か、差別や侮辱にあたるかが問われたもの
※報道をもとに当サイトが分類(2026年10月4日時点)

意見については、受け止め方が人によって分かれるのは当然です。しかし、事実の誤りは別の問題です。玉川氏は、確認しないまま断定的に語り、あとから当事者に否定される、ということを何度も繰り返しています。電通発言で処分を受けたあとも、警官発砲事件で言葉を訂正する事態が起きました。

なぜ玉川徹は降板しないのか

懲戒処分を受け、局が海外の大使に謝罪する事態になっても、玉川氏は番組に出続けています。その理由について、当サイトは次のように見ています。

  • 処分の仕組みの外にいる:フリーになったことで、局の就業規則による処分の対象ではなくなりました。ユダヤ人発言で処分が発表されなかったのも、この立場と無関係ではないとみられます。
  • 謝るのは局で、本人ではない:謝罪文から名前を外し、番組でも触れないことで、問題が「局の表現の配慮」の話にすり替わりました。
  • 番組の看板になっている:週刊誌などは、玉川氏の発言が反響を呼び、番組の数字につながっていると報じています。批判を集めること自体が、起用の理由になっている可能性があります。

テレビ朝日に求められる説明

テレビ朝日は、ユダヤ人発言のあと、チェック体制の見直しを表明しました。しかし、それから4カ月後の警官発砲事件では、再び玉川氏の言葉が訂正を迫られています。見直しが何を変えたのか、局は具体的に説明していません。

放送局には、電波を使って情報を伝える責任があります。出演者が誤った情報や差別と受け取られる発言をしたとき、誰が、どのように責任を取るのか。社員ディレクターとして始まった玉川氏の「コメンテーター」という立場は、フリーになった今、その問いをより重いものにしています。テレビ朝日には、謝罪文を出すだけでなく、起用を続ける理由と、再発を防ぐ具体的な方法を、視聴者に説明することが求められます。

参考・出典

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