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赤旗のスクープは報道ではない、共産党の政治活動を報道に見せかける構図

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桜を見る会、日本学術会議の任命拒否、自民党派閥の裏金問題。いずれも、共産党の機関紙「しんぶん赤旗」のスクープが発端とされる問題です。赤旗は、権力を監視する報道として評価されることが増えています。しかし時系列を追うと、赤旗が報じた直後に共産党の議員が国会で追及し、選挙でも党の武器として使われる、という同じ構図が繰り返されています。赤旗の編集長自身も、スクープは「日本共産党の機関紙だからできた」と語っています。赤旗のスクープは報道なのか、それとも共産党の政治活動なのか。4つの事例から検証します。

赤旗が調べ、共産党議員が国会で追及する、党内で完結する「スクープ」

事例赤旗の報道共産党の動き標的
桜を見る会2019年10月13日11月8日、田村智子議員が参院予算委で追及安倍首相(自民)
学術会議の任命拒否2020年10月1日10月8日、田村議員が参院内閣委で追及。月末には党委員長らが代表質問菅首相(自民)
派閥の裏金問題2022年11月6日報道をもとに大学教授が告発し、翌年に捜査へ自民党の5派閥
非公認候補への2000万円2024年10月下旬(衆院選の期間中)選挙戦のさなかに報道し、党として自民党を批判自民党

4つの事例すべてで、赤旗の報道は共産党の国会での追及や選挙での主張と結びついています。そして標的は、いずれも共産党と対立する政党です。

赤旗編集長が認めた「共産党の機関紙だからできた」

赤旗は2026年3月1日、日曜版の創刊67年に合わせた主張記事を掲載しました。この中で、日曜版の山本豊彦編集長のスクープについての言葉を紹介しています。

日本共産党の機関紙だからできた。

しんぶん赤旗 2026年3月1日「主張」で紹介された山本豊彦・日曜版編集長の言葉

記事は、スクープを支える力として、次の2つを挙げています。

赤旗が挙げた力記事の記述
党の地方組織全国各地の日本共産党の地方議員や支部の党員との連携・協力
党の国会議員国会議員団の論戦力

赤旗自身が、スクープは党の地方議員や党員と連携して取材し、党の国会議員が論戦で取り上げることで力を持つ、と説明しています。取材も、追及も、同じ政党の中で行われていることを、赤旗自身が認めていることになります。記事はまた、桜を見る会のスクープが広がったのは、党の副委員長の国会質問がテレビの情報番組で取り上げられてからだったとも書いています。

桜を見る会、赤旗の記事をそのまま国会質問に使った共産党

時期出来事
2019年4月東京新聞が、桜を見る会の私物化の疑いを報道
2019年5月共産党の宮本徹議員が衆院で質問
2019年10月13日赤旗日曜版が、安倍首相の後援会関係者の大量招待を報道。この時点で後追いした社はなし
2019年11月8日共産党の田村智子議員が参院予算委員会で追及。ここから各社が後追い

取材した党と追及した党が同じ

文春オンラインによると、田村議員は赤旗の記事を読んで国会で質問することを決め、質問の準備を進めました。赤旗の記事が出た時点では、ほかの報道機関は後追いしていません。報道が広がったのは、共産党の議員が国会で取り上げてからです。党の機関紙が材料を集め、党の議員が国会という公の場で使う。取材と追及の両方を、共産党が担っていたことになります。

日本学術会議の任命拒否、報道から1週間で共産党議員が追及

時期出来事
2020年10月1日赤旗が、菅首相が学術会議の推薦した6人の任命を拒否したと報道
2020年10月8日共産党の田村智子議員が参院内閣委員会で追及
2020年10月29日共産党の志位和夫委員長が衆院の代表質問で追及
2020年10月30日共産党の小池晃書記局長が参院の代表質問で追及

時系列は、赤旗自身が「スクープから1カ月」としてまとめた記事によるものです。赤旗の報道から1週間後に党の議員が委員会で追及し、月末には党の委員長と書記局長が衆参の代表質問で取り上げました。ここでも、報道から国会での追及まで、共産党の中で一貫して進められています。

裏金問題のきっかけは赤旗日曜版、狙いは党の対立相手

時期出来事
2022年11月6日赤旗日曜版が、自民党5派閥のパーティー券収入の不記載を報道
2022年11月上脇博之・神戸学院大教授が東京地検に告発
2023年11月赤旗日曜版が続報。東京地検特捜部の捜査が報じられ、大手各社が本格的に報道
2024年9月赤旗日曜版がJCJ大賞(日本ジャーナリスト会議)を受賞

標的はいつも共産党と対立する政党

赤旗は自らの紙面で、この問題を「赤旗がなけりゃ裏金裏のまま」と誇っています。裏金問題が明らかになったこと自体は、政治にとって重要でした。しかし、赤旗が調べる対象は、自民党をはじめとする共産党の対立相手です。2026年3月の主張記事でも、最近の成果として維新の府議の問題や、高市首相と旧統一教会の関係を追う連載を挙げています。共産党自身の問題を掘り下げたスクープは、当サイトが調べた範囲では見当たりません。

衆院選中の「2000万円」報道、機関紙が選挙を直撃

2024年10月の衆院選の選挙期間中、赤旗は、裏金事件で自民党が公認しなかった候補の党支部に、党本部から2000万円が支出されていたと報じました。石破首相は「選挙資金には使わない」と説明に追われました。

選挙前の自民党の議席
247
選挙後の自民党の議席
191

東洋経済オンラインは、この報道を「自民への決定的なダメージ」とする選挙アナリストの見方を伝えています。議席の減少のすべてがこの報道によるものとは言えませんが、選挙のさなかに政党の機関紙が対立政党の問題を報じ、その政党が選挙戦でそれを訴えるという形は、報道というより選挙運動そのものです。

自党への批判は報じない、赤旗が報道機関ではない証拠

松竹氏の除名を批判した朝日・毎日に反論記事で応戦

2023年2月、共産党は、党首を党員の投票で選ぶ公選制を求めた党員の松竹伸幸氏を除名しました。朝日新聞と毎日新聞が社説でこの処分を批判すると、赤旗は「『結社の自由』に対する乱暴な攻撃」「事実踏まえぬ党攻撃」と見出しを掲げた記事で反論しました。対立政党の問題は徹底して掘り下げる一方で、自党への批判には党の立場から反論する。これが、赤旗の一貫した姿勢です。

何を調べ、何を伏せるかを決めるのは党

山本編集長は、最も大切にしているのは「ものごとをどのように見るのかという『視点』」だと語っています。その「視点」とは、共産党の視点です。何を取材し、何を報じ、何を報じないかを決める基準が党にある以上、赤旗の紙面は、党にとって有利な事実で構成されることになります。

他社の後追いで「報道」の看板を得る仕組み

大手が後追いした時点で、党の宣伝が「ニュース」に変わる

桜を見る会でも、裏金問題でも、赤旗が報じた時点では、ほかの報道機関はすぐには後追いしませんでした。大手が報じ始めたのは、共産党の議員が国会で取り上げてから、あるいは検察の捜査が明らかになってからです。いったん大手が報じると、問題は「赤旗が報じたこと」ではなく、「社会のニュース」として扱われるようになります。党の機関紙から始まった話が、他社の報道を経ることで、党派性の見えない「報道」に変わっていきます。

赤旗のスクープは「共産党の政治活動」として扱うべき

標的は対立政党だけ、狙いは政策論争ではなく相手の足を引っ張ること

4つの事例の標的は、すべて共産党と対立する政党でした。報道のタイミングは国会での追及や選挙と重なり、党の議員がそれを武器に相手を攻めています。当サイトは、赤旗のスクープの多くは、政策で競い合うためではなく、対立政党の足を引っ張るための政治活動として機能していると考えます。

事実の重要性と、発信者の立場は別

裏金問題のように、赤旗の報道で明らかになった事実の中には、政治にとって重要なものもあります。事実が正しいことと、それを報じた媒体が独立した報道機関であることは、別の問題です。赤旗の報道を評価するときも、それが共産党の政治活動の一部であることを切り離してはいけません。

引用するなら「共産党の機関紙」と明記を

ほかの報道機関やSNSで赤旗のスクープを取り上げるときは、「赤旗によると」ではなく、「共産党の機関紙・赤旗によると」と、発信者の立場を明記すべきです。それがなければ、読者は政党の政治活動を、中立的な報道として受け取ってしまいます。同じ基準は、ほかの政党の機関紙にもあてはまります。

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