不祥事・デマ・事件

NHKはなぜ文化財を壊し続けるのか?百済寺・東大寺など5件の破損事例

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2023年4月、NHKが朝ドラ「ブギウギ」のロケ中に、滋賀県東近江市の百済寺本堂を破損しました。本堂は国の重要文化財に指定されています。NHKは報道資料で謝罪し、文化財の保護を徹底すると約束しました。ところがNHKの撮影や工事による文化財の破損は、この前後にも国宝や世界遺産、重要文化財で繰り返し起きています。百済寺の件の経緯と、これまでに報じられた破損事例を整理し、NHKの対応を検証します。

ブギウギのロケで百済寺本堂(重要文化財)を破損

NHKの報道資料による経緯

NHK大阪放送局が翌日に発表した報道資料によると、破損が起きたのは2023年4月25日の午後3時過ぎです。NHKは百済寺の許可を得て、次の朝ドラ「ブギウギ」のロケを行っていました。本堂の濡れ縁で撮影のリハーサルを始めた直後、床板を支える木材が折れ、縁の板の一部が外れたといいます。

NHKはロケを直ちに中止し、百済寺に謝罪したうえで、関係機関に報告しました。出演者や関係者にけがはありませんでした。

貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、修復等に適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底します。

NHKのコメント(NHK報道資料「重要文化財の破損について」)

破損の規模をめぐる発表と報道の違い

破損の規模については、NHKの発表と一部の報道で表現が異なります。NHKは縁の板の「一部」が外れたと説明しています。これに対し女性自身は、ダンスシーンのリハーサル中に床板を長い範囲にわたって陥没させたと報じました。どちらが実態に近いのかは、公開情報からは判断できません。

情報源 破損の内容
NHK報道資料撮影のリハーサル中、濡れ縁の床板を支える木材が折れ、縁の板が一部外れた
女性自身ダンスシーンのリハーサル中に、床板を長さ10メートルにわたって陥没させた

百済寺とはどんな寺か

百済寺は、聖徳太子が創建したと伝わる天台宗の古刹です。織田信長の焼き討ちで焼失し、本堂は江戸時代の初めに再建されました。この本堂が、国の重要文化財に指定されています。

NHKによる文化財の破損は繰り返されている

NHKの撮影や工事による文化財の破損は、百済寺の件だけではありません。報道で確認できただけでも、国宝から登録有形文化財まで、さまざまな文化財で起きています。

時期 場所 種別 番組・作業 破損の内容
2003年東大寺 鐘楼
(奈良県奈良市)
国宝「ゆく年くる年」の中継準備委託業者が長さ約3cmのくぎを打ち付けた
2022年4月高野参詣道「女人道」
(和歌山県高野町)
世界遺産の構成資産・国史跡中継局設備の更新工事許可なく土のうを置き、運搬車が約200mにわたって路肩や木の階段を壊した
2023年4月百済寺 本堂
(滋賀県東近江市)
重要文化財朝ドラ「ブギウギ」のロケ濡れ縁の床板を支える木材が折れ、縁の板の一部が外れた
2024年5月旧金毘羅大芝居
(香川県琴平町)
重要文化財Eテレ「芸能きわみ堂」のロケ撮影担当者が花道から客席に転落し、升席を仕切る角材を壊した
2024年12月旧上妻家住宅
(福岡県福津市)
国の登録有形文化財ニュース番組の取材三脚が当たり、窓ガラス1枚が割れた

2003年 東大寺の鐘楼にくぎを打ち付け

「ゆく年くる年」の中継準備の際、NHK大阪放送局の委託業者が、国宝の東大寺鐘楼にくぎを打ち付けました。四国新聞は、この件でNHKが職員を処分したと報じています。

2022年 世界遺産の参詣道を許可なく工事

和歌山県高野町では、NHKが発注した中継局設備の更新工事で、世界遺産「紀伊山地の霊場と参詣道」を構成する高野参詣道の女人道が壊されました。わかやま新報によると、工事では必要な許可を得ないまま道に土のうが置かれ、キャタピラ付きの運搬車が通行して路肩や木の階段を壊したといいます。NHKは必要な許可を得ていなかったことを認めて謝罪し、和歌山県教育委員会は原状回復を求め、法令に基づき厳正に対処する方針を示しました。一部の報道ではこの件を「熊野古道」と伝えていますが、破損したのは高野参詣道です。

2024年 旧金毘羅大芝居と旧上妻家住宅

百済寺の件の翌年には、2件の破損が相次ぎました。5月には香川県琴平町の旧金毘羅大芝居で、Eテレのロケ中に撮影担当者が花道から客席に転落し、升席の角材を壊しました。12月には福岡県福津市の旧上妻家住宅で、ニュース番組の取材中に三脚が窓ガラスに当たり、戦前に作られたガラスが割れています。どちらの件でも、NHKは破損を公表して謝罪しました。

NHKの対応と再発防止策は十分か

繰り返される同じ謝罪コメント

百済寺、旧金毘羅大芝居、旧上妻家住宅の3件で、NHKが出したコメントを並べると、ほぼ同じ文言が使われていることが分かります。NHKは破損のたびに「文化財の保護を徹底する」と約束していますが、百済寺の件の翌年には2件の破損が起きています。

事例 NHKのコメント
百済寺
(2023年4月)
貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、修復等に適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底します。
旧金毘羅大芝居
(2024年5月)
貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、適切に対応してまいります。改めて文化財の保護を徹底してまいります。
旧上妻家住宅
(2024年12月)
貴重な文化財を破損したことを深くお詫びいたします。関係機関の指導に従い、適切に対応してまいります。(J-CASTニュースによると、改めて文化財の保護を徹底し、再発防止に努めるとも説明)

修復や費用負担は公表されていない

いずれの件でも、NHKは破損した直後に謝罪していますが、その後の修復がどのように行われたのか、費用を誰がどれだけ負担したのかについて、公表された情報は確認できませんでした(確認日:2026年9月28日)。どのような再発防止策をとったのかも、具体的には明らかにされていません。

公共放送に求められる文化財への配慮

文化財は、一度壊れると元どおりにすることが難しいものです。NHKは番組を通じて文化財の価値を伝える立場にありながら、撮影や工事でたびたび文化財を傷つけてきました。

受信料で運営される公共放送として、謝罪のコメントを出すだけでなく、修復の結果や費用、具体的な再発防止策まで公表することが求められるのではないでしょうか。

出典

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