経営・ビジネス

京都新聞の部数、夕刊は3年で4割減 持ち株会社と経営問題の背景

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2026年10月、週刊現代は、京都の地方紙・京都新聞の部数が往時の50万部から大きく減り、その裏で経営をめぐる「大問題」があったと報じました。京都新聞の公表データでは、2025年10月の朝刊は約28万部、夕刊は約6万5千部です。3年前と比べると、夕刊は4割以上減っています。部数の推移と、持ち株会社への移行、元相談役への報酬をめぐる裁判など、公表されている事実から京都新聞の経営を整理します。

京都新聞の発行部数の推移

区分2022年10月2025年10月増減
朝刊326,071部282,091部約4万4千部減(13.5%減)
夕刊116,797部65,019部約5万2千部減(44.3%減)

2025年10月の数字は、京都新聞の広告営業向けサイトに掲載されている日本ABC協会の調査です。2022年10月の数字は、Wikipediaの記載によるものです。週刊現代は、往時の部数を50万部としています。

夕刊の落ち込みが際立つ

朝刊の減り方は、全国の新聞全体の流れとほぼ同じです。目立つのは夕刊です。3年でほぼ半分近くまで落ち込んでいます。日本新聞協会の調査でも、全国的に夕刊の減少は朝刊より大きく、京都新聞もその流れの中にあります。ただし、京都新聞の夕刊は京都府南部や滋賀県南部など限られた地域で発行されており、その地域での落ち込みが特に大きいことがわかります。

京都府内では今も約半分のシェア

地域(2025年10月)朝刊夕刊
京都府内231,799部(シェア47.1%)62,779部(シェア39.3%)
うち京都市内134,898部(シェア53.1%)44,064部(シェア44.9%)
滋賀県内50,292部(シェア19.9%)2,240部(シェア14.0%)

部数は減っていても、京都府内、とくに京都市内では、今も地元紙として高いシェアを保っています。部数減は、地域での存在感が失われたというより、新聞を取る家庭そのものが減っていることの表れとみるのが自然です。

京都新聞の持ち株会社化と、新聞社の位置づけ

時期出来事
2006年4月グループ経営に移行し、新聞事業を3社に分割
2014年4月旧京都新聞社が持ち株会社「京都新聞ホールディングス」に移行。新聞の編集・発行は新設の京都新聞社が引き継ぐ
2022年4月第三者委員会が、元相談役への報酬(総額16億円超)について会社法違反の疑いを指摘
2022年6月社主家が取締役を退任し、経営から離れる
2024年6月資本金を6億円から1億円に減資
2025年1月京都地裁が、元相談役への報酬を違法な利益供与と認め、約5億円の返還を命じる

時系列はWikipediaの記載と各社の報道をもとにしています。現在の京都新聞グループは、京都新聞ホールディングスの下に、新聞を発行する京都新聞社のほか、印刷、広告、折込、販売、不動産などの会社が並ぶ構成です。

週刊現代は「新聞社がコストセンターになった」と指摘

週刊現代の藤岡雅記者は、持ち株会社化によって、新聞を作る京都新聞社が、グループの収入に関与できない「コストセンター」になったと報じています。編集と発行を担う会社が、費用を使うだけの部門として位置づけられれば、デジタル化などで収入を増やす努力をしても、その成果が新聞社の側に残りにくくなります。これは週刊現代の見方であり、京都新聞側の説明は確認できていません。

デジタル収入は伸びたが、赤字の見通しも

同じ週刊現代の記事によると、かつての社長のもとで、デジタル収入は年間約2千万円から約3億円に伸びました。一方で、グループ全体が赤字に陥る見通しや、販売会社の累積赤字が数年で10億円を超えるおそれが、経営陣に示されていたとも報じています。紙の部数が減る中で、デジタルの伸びだけでは穴を埋めきれない構図がうかがえます。

京都新聞の元相談役報酬問題と裁判

第三者委員会が指摘し、裁判所も違法と判断

京都新聞の経営で、公的に事実が確かめられている大きな問題が、社主家出身の元相談役への報酬です。2022年に第三者委員会が会社法違反の疑いを指摘し、2025年1月には京都地裁が、報酬を違法な利益供与と認めて約5億円の返還を命じました。日本経済新聞などは、会社側の請求額を全額認めた判決だと報じています。

部数減との関係は、はっきりしない

週刊現代は、社主家の影響力が経営や編集局の士気に影を落としてきたと報じています。ただし、こうした経営問題が部数減の直接の原因になったかどうかは、公表されたデータからは確かめられません。全国の新聞が同じように部数を減らしている以上、京都新聞の部数減の多くは業界全体の流れによるものとみられます。経営問題が部数減に拍車をかけたのかどうかは、時期が重なっているという以上のことは言えません。

確認できたこと、確認できていないこと

確認できたこと確認できていないこと
2025年10月の部数が朝刊約28万部、夕刊約6.5万部であること(京都新聞の公表)週刊現代が言う「往時の50万部」の時期
2014年に持ち株会社体制に移行したこと新聞社が「コストセンター」になったという指摘への会社側の説明
京都地裁が元相談役への約5億円の返還を命じたこと判決が確定したかどうか
社主家が2022年に経営から離れたこと経営問題が部数減に影響したかどうか

地方紙の経営は、読者に見える形で説明されるべき

部数減は業界共通、経営問題は京都新聞固有

京都新聞の部数減は、全国の新聞に共通する流れの中にあります。一方で、元相談役への報酬問題は、第三者委員会と裁判所が問題を認めた、京都新聞固有の経営問題です。この2つは分けて考える必要があります。

報道機関こそ、自らの経営を説明する責任がある

新聞社は、企業や行政の不正を報じ、説明責任を求める立場にあります。京都新聞は、元相談役への報酬問題を自ら訴訟で正そうとしてきました。そのうえで、持ち株会社体制のもとで新聞事業をどう立て直すのか、部数が減る中で地域の報道をどう維持するのかを、読者に向けて具体的に示すことが求められます。当サイトは、京都新聞を含む地方紙の経営の動きを、引き続き公表データにもとづいて検証していきます。

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